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意外と多い土地購入の失敗! 土地購入で成功するコツとは?

意外と多い土地購入の失敗! 土地購入で成功するコツとは?

2022.01.04 16:15comment(0)



好条件でお手頃な土地を購入したつもりなのに、暮らし始めてから失敗に気づいた……こんな例は決して少なくありません。
とはいえ、購入候補選びで慎重になりすぎるのも良くないことです。
形状・建築規制等の事情から格安になっている土地でも、むしろ個性が活きる住み良い家に仕上げられるかもしれません。

本記事では、まずは典型的な失敗の例から「土地選びの基本」を押さえます。
気になる「お値打ち」「掘り出し物」と呼ばれる土地の見つけ方も、具体例から情報の場所まで知識として得られます。
ここで解説するポイントを押さえれば、土地購入での成功は決して難しくないでしょう。

土地購入からの家づくり|土地購入のよくある失敗例

家を建てて後悔したケースでは、土地選びのやり方に原因がある場合が多く見られます。
まずは実際にある失敗例を押さえつつ、購入検討の段階でどんな対策ができるのか考えてみましょう。

予算を大きくオーバーしてしまう

家づくりで最も多いのは、「住宅ローン返済が苦しい」「妥協したせいで住み心地の悪い家になってしまった」などの失敗例です。
その原因は、新築する時に土地探しを優先してしまい、建築のための資金が不足してしまったことです。

まだ家を建てると決めたばかりの段階なら、まずは資金計画を立てましょう。
その際、捻出できる額や工務店・ハウスメーカーなどの見積りを参考に、予算内訳を細かく設定します(下記参照)。
こうして計画が定まってから土地選びに進む流れであれば、大きな失敗はありません。

【参考】注文住宅の予算内訳

建築費基礎工事・建築・内装等、住むための設備を作るための予算
外構費門・塀・庭・駐車場等、建物周りの設備を作るための予算
追加工事費地盤改良等、土地建物によって追加で必要になる予算
土地購入費土地購入代金に登記費用・不動産取得税等の雑費を加えた予算
諸費用融資事務手数料、火災保険料、引越し費用等、家づくりに必要なその他の予算

時間帯によって住環境が大きく変わる

購入前には落ち着いた地域との印象があっても、実際に住んでみると防犯性や騒音が気になることがあります。
こうした失敗は、曜日や時間帯を変えて何度も下見することで防げます。

下見のときは、通勤・通学・買い物などでよく通るルートを中心に「夜道の見通し」や「行き交う人の数」に注意してみましょう。
併せて交通量もチェックしておくと、家の中で聞こえる音の大きさも予想できます。

周辺道路が狭く不便

周辺道路が狭く「通りにくい」「交通事故が起きそうでハラハラする」といった失敗もあります。
2度目以降の下見のときは、なるべく前回と違うルートを通ってみて、道路の状態を確認してみましょう。

多いのは、最寄りの公共交通機関から直接土地に向かうルートしか下見していないケースです。
スーパー・小中学校・病院等、通う可能性のある場所からの道はできるだけ確認してみましょう。

南面接道で家の中が丸見え

南面接道の土地は採光性が良く、南側にリビング・窓・バルコニーなどを設計する予定で購入されがちです。
しかし、実際に住んでみた人からは、プライバシーが気になり「洗濯物は室内で干している」「カーテンを閉めっぱなしにしている」といった話がよく飛び出します。
これでは、予算も設計もまったく活かせません。

日当たりが最優先すべき条件でないなら、南面接道にこだわる必要はありません。
どうしても譲れない条件であれば、広い土地を選んで道路から建物までの距離を確保したり、建物の設計を工夫したりするなど、条件を付加することも念頭に置きましょう。

 

「お値打ちの土地」はある? 土地価格は形や立地条件によって違う

家を建てるための土地は、もちろん安い方が好都合です。
住み心地に直接影響する部分(=建物等)の予算に力が入り、そのうえランニングコストでなる固定資産税・都市計画税もお得になるからです。

ただ、土地価格には常に需給のバランスが反映されており、一時的にも相場を下回るのは珍しいことです。
効率よく「お値打ちの土地」を探すなら、ある程度特徴を絞り込んでみてもよいでしょう。
そのための前提知識として、まずは土地の価格決定の仕組みについて押さえます。

土地の価格はどうやって決まるの?

土地の売買価格に直接影響しているのは、毎年1月1日を基準として国土交通省が公表する「公示価格」です。
これに「基準地標準価格」と「路線価」が考慮され、売買取引する時の値段が決められます。

もっとも、価格の最後の決め手になるのは、立地・形状・建築規制・権利関係等といった「土地の特徴」です。
より厳密には、過去の利用状況、そして売主側の事情(売却のタイミングや希望価格)といった要素も価格決定に絡みます。

【参考】土地価格の種類

価格の種類概要価格決定の主体
公示価格売買価格の目安国土交通省
基準値標準価格同上都道府県
固定資産税評価額固定資産税が賦課される時の基準市区町村
実勢価格実際に取引される時の価格売買市場(査定業者)
路線価相続税が賦課される時の基準国税庁

※同じ土地でも視点によって5つの値段があることを「一物五価」と表現します。

家を重視する人にオススメ! お得な土地の特徴

住宅用地としてニーズがあるのは「形が良く水平で、建築にかかる法律周りのハードルが低い」土地です。
その他の一般に好条件と考えられる特徴を外していけば、建物重視の人に向く格安の土地を効率よく見つけられます。

代表的な「需要は少ないがお値打ちの土地」の特徴は7つあります。
いずれも家を建てるために所定条件のクリアや追加費用を要するため、実際に検討するときは土地建物のトータルコストに注意しましょう。

  1. 10年特例用地
    都市計画法上の「市街化調整区域」にある土地は、開発行為の規制がネックとなって格安化しています。
    購入して住まいを建築するには、土地面積・地域内における10年以上の居住年数などといった一定の条件を満たさなくてはなりません。
    建築のための必要な条件が揃えられるなら、上記のような「10年特例用地」と呼ばれる土地を選ぶとよいでしょう。
    無秩序な都市化が見られないことから、眺望・静音性といった価格以外の面でも期待できます。
  2. 北面接道の土地
    北面接道の土地は「日当たりが悪い」とのイメージから需要が減り、周辺の土地に比べて安くなる傾向があります。
    実際には南側から採光できる土地もあり、必ずしも日当たりが悪いわけではありません。
    また、窓やバルコニーなどといった「建物側面からの日当たり」も必要とは限らないものです。
    生活空間に天窓を設置するなど、建物の設計を工夫することで、採光性のデメリットをメリットに変えながら暮らせます。
  3. 変形地
    完全な方形ではない「変形地」も、見方によってはお買い得です。
    建物設計が難しく有効活用できない点から購入が見送られがちですが、実のところ、期待をよい方向に裏切ってくれた例が多数あります。
    例えば「袋地」(旗竿地)なら、道路と建物の距離を確保できる設計が可能であり、静音性とプライバシー性が高まります。
    デッドスペースが多くなるといわれる「三角地」も、その性質を小回りの利く駐車場や庭に活かせます。
  4. 狭小地
    概ね20坪もしくは15坪以下の「狭小地」でも、設計しだいで十分ゆとりのある空間が作れます。
    最近では、建物・設備の予算を優先し、あえて狭小地を選ぶ人もいます。生活空間がコンパクトになる分、水道光熱費が安く済む点もメリットです。
    ただし、建築規制には十分注意しましょう。
    例えば、狭小住宅で多い3階建以上だと、道路の日照や景観を確保するための「道路斜線制限」や「高度規制」を確認しなければなりません。
    また、建ぺい率・容積率の兼ね合いで、設計ではどうにもならない小さすぎる家になってしまう可能性もあります。
  5. 傾斜地
    変形地と同じ理由で、地面が傾いている「傾斜地」も格安です。
    購入検討にあたっては、必要な造成・基礎工事等のための費用まで見込み、周辺の水平な土地と価格を比べてみましょう。
    また、掘り込みガレージなどを作り、個性を有効活用するテクニックもあります。
    信頼できる不動産会社と腕のいい設計士が揃えば、空間に無駄のない快適な暮らしは十分実現できます。
  6. 定期借地権付きの土地
    所有権付きにこだわらず、初期費用が概ね6割程度となる「定期借地権付きの土地」も検討してみましょう。
    注意したいのは、契約終了時には自費で更地にして返却しなければならない点です。
    ただし、将来更地にする費用まで織り込んでも、底地ごと買うより安くなる傾向があります。
    定期借地権の存続期間は最低50年からと長く、自分で費用を積み立てて運用しておけば、さらにお得になるでしょう。
  7. 古家付き土地
    近年では古家付きの土地を購入し、リノベーションもしくは解体・新築をして住む人も増えています。
    なお、建物が取り壊されないのは土地自体に事情がある……というわけではありません。
    大半は「納税資金不足」や「遠隔地在住のため管理できない」などといった売主個人の事情です。
    注意したいのは、建築にかかる諸々の制限です。
    リノベーションだと耐震・省エネ工事を要する可能性が高く、建物のための予算をオーバーする可能性があります。
    新築するつもりなら、取り壊すと新たに建てられなくなる「再建築不可物件」は避けなくてはなりません。

ズバリ!「ネットに載らない物件」はあるの?

よく聞く「Webサイトに載らない物件がある」というのは本当です。
ただ、お値打ち品を不動産会社が隠し持っている……などといったことはありません。

不動産会社に問い合わせれば、広く公開されている物件と同じように案内してもらえます。
ここで説明するように、通常「事務都合」以外にネット未掲載の理由はないからです。

レインズ物件と呼ばれるWeb未公開の物件

ネットに載らない物件の多くは、より実態に即して「レインズ物件」と呼ばれています。
前提として、売りに出された土地がすぐWeb上で公開されることはありません。
まずは不動産流通機構が運営する“REINS”(レインズ)に登録されますが、この段階で物件情報を確認できるのは不動産会社だけです。
一般消費者の目に留まるようにするには、各種Webサイトへの掲載作業が欠かせません。

肝心の掲載作業ですが、これは不動産会社が手作業で行っています。
ただ、担当者はメイン業務を多数抱えているため、いつでも対応できるとは限りません。
このようにして、業者とその相談者しか知り得ない「レインズ物件」が常に滞留するのです。

不動産会社が公開範囲を限定している物件

買い手を募る土地の情報が出回らない理由は、不動産会社の業務都合だけではありません。
よくあるのは、売主都合で公開範囲を限定しているケースです。
そうはいっても、土地自体に問題があるわけではありません。
ほとんどの場合は「売却を近所の人に知られたくない」「まだ利用中で下見に対応できない」などといった事情によるものです。

他には、法令で広告が認められていない場合も挙げられます。
例えば「新たに造成する土地」なら、宅建業法第33条で規定する所定の処分(建築許可等)を受けるまで、REINSへの登録は規制されています。

「ネット未公開の物件=掘り出し物」ではない

「未公開物件」あるいは「公開範囲が限定されている物件」だからといって、必ずしも好条件とは限りません。
情報が出回らない理由が土地の性質とは無関係である以上、実際に探してみるとその条件はさまざまです。
掘り出し物だと思い込んですぐに飛びつかず、ニーズと予算に合うかよく見極めましょう。

土地購入で成功するためのコツ・注意点

土地購入の成功の要は、以降で解説する「事前の心構え」です。
まずはニーズを明確にして、信頼できる業者を選びましょう。
こだわりを持ちすぎず、資金難に陥ることがないようにするのも大切です。

「誰から・どの業者で買うか」を大切に

土地売買では、売主には説明義務、そして不動産会社には注意義務と説明義務の両方が課せられています。
どちらも買主にとって重要な情報を多く持っており、積極的に公開してくれるのが普通です。

しかし、土地の性質について個別に気になる情報が提供されない可能性は、決してゼロではありません。
信頼できて話の通じる不動産会社を選び、「誰から買うのか」もしっかり意識しましょう。

「土地の希望条件」に優先順位をつける

いかに優秀な不動産会社を選んでも、希望条件を全て満たす土地が見つかるとは限りません。
ニーズにぴったり合う土地を見つけようとすると、時間がかかるばかりか、予算の大幅オーバーを許してしまうことになります。

家族との話し合いでニーズが出揃ったら、妥協の可否から優先順位をつけておきましょう。
上位にあるいくつかの条件さえ満たす土地なら、他の要素は設計や工夫でカバーできます。

「土地購入費」の予算は必ず守る

土地購入のための予算は「決める」だけでなく「守る」ようにしましょう。
わずかでも予算オーバーを許してしまえば、住み心地やローン返済負担に影響します。

捻出できる額が多少タイトでも、住みたい地域に知識のある不動産会社を選べば問題ありません。
あらかじめ優先順位をつけている希望条件に沿い、好みに合う土地を的確に提案してもらえます。

まとめ

土地選びからの家づくりで失敗を避けるコツは、少なくとも資金計画と入念な下見を徹底することです。
一般に「住みやすい」とされる南面接道等の条件も、そこに家が建った場合のイメージから慎重に判断しましょう。

また、形状・立地・建築規制・権利関係等の面で格安になっている土地でも、工夫しだいでデメリットをメリットに変えられます。
むしろ、予算の余剰を建築費用に回せる分、住まいの快適さを向上させるうえでは有利です。

土地購入を成功させるための最大の秘訣は、地域情報に詳しい不動産会社のサポートです。
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